父が昏倒した。庭樹の剪定をしている時だ。しかも、場所は、2メートルほどもある梯子の上だ。何か言っているようだと、側で作業をしていた母が行ってみると、口から泡を吹きながら、どうにか梯子の上に留まっている状態だったらしい。
父の年齢は80代、母にしても70代。とても安全に梯子から降ろせる状態じゃない。母はとっさに、たまたま自転車で通りがかった男性に助けを求めた。男性は、さらに近所の応援を呼び、救急車の手配を頼み、梯子から他の人の手も借りつつ、父を地上に下ろした。無意識の父は、抵抗をしたらしく、かなり...
続きを読む≫ 2012/11/10 18:58:58 メイン
電話をもらったのは11時ごろだっただろうか。
「父が倒れた。意識がない。梯子の上で泡を吹いて、どうしよう」
いきなりの話ではあるけれども、父も年齢も年齢。何かあるかもしれないとは、ぼんやりとは考えてはいた。俺が落ち着いてなきゃな。
「救急車は呼んだのか?」
「誰か、呼んでくれたと思うんだけど」「あの救急車、呼んで下さったんですよね」と周囲に確認する様子。
「とにかく救急車を確認して。俺も仕度して、そっちに行くから。一度電話を切るよ。救急車だけは確実に確かめて。何なら自分でもう一度119へ電話して...
続きを読む≫ 2012/11/10 19:02:42 メイン
練馬光が丘病院をWEBで調べる。住所と場所がわかれば何とかなるだろう。あれ?日大光が丘病院と練馬光が丘病院と二つあるのか?ん~どっちも住所は一緒だな。OK。とにかく現地へ行けば、手繰れるだろう。口コミとか評判とか、ネットで調べるなんてことはしなかった。正直、どうでもいい。もう搬送されているんだ。グダグダいってもしょうがない。大きな手術だなんだとかになれば、その時に考えろ。当直のERの担当者が優秀であるかどうかは、本人の運だろう。しかし、梯子の上で意識を失って、落ちなかっただけでも、父の運は尽きて...
続きを読む≫ 2012/11/10 19:03:31 メイン
救急救命室の外で待っていると、やがて呼ばれた。意識が戻っているという。話も普通にできた。「手足も動くぞ」と本人は動かしてみているが、やめてくれ。大人しくしてくれ。それでもまずは一安心。あぁ、いつかくることではあるけども、今ではない。
医師は、今は落ち着いているけれども、調べないとわからない。とにかくこのまま入院してもらい検査をするべきです。よろしければ入院の手続きをして、入院に必要な準備をして下さいという。どれくらいで退院になるかは今の時点ではわからない。入院や検査をすることに異論はない。練馬光...
続きを読む≫ 2012/11/10 19:06:32 メイン
一度帰宅して、タオルやらネマキやらを準備してこないといけない。母とタクシーで実家に向かう。
救急救命室の前での待ち時間、何回か家内には電話を入れていた。仕事が終わり次第来るつもりにしていたが、とりあえずの状況が落ち着いているので、あわてずに来てほしいと告げ、それと菓子折りの調達を頼んだ。
最初に助けて下さった自転車の男性が応援を求めた先は、家の前の道路の向かいの小学校だった。裏口があって、おそらく給食などの搬入に使っているのだろう。そこに向かって大声で応援を呼んだようだ。先生や職員がいろいろなこ...
続きを読む≫ 2012/11/10 19:07:16 メイン
練馬光が丘病院を出て、母を実家に送るのは、家内に任せた。俺は光が丘警察署に行く。駅から少し探したが、たどり着く。練馬光が丘病院で質問をされた刑事さんの名前を伺っていたので、アポなしだけどもお話ししたいと受付で告げる。練馬光が丘病院では貧相な服装だった刑事は、制服を着用していて貧相なイメージはない。いや、むしろ、凛々しい。ああ、服装でこんなに印象が変わるんだなぁと妙なことに関心した。
最初に助けて下さった方にお礼がしたいので、本人さんがよろしければ教えて欲しいとお願いした。本人に確認してから教えて...
続きを読む≫ 2012/11/10 19:08:16 メイン
翌日、母に、最初に助けて下さった方の連絡先を教える。父は個室に空きがあって、その日に移動することができた。俺は今日は、仕事をするつもりだった。が、練馬光が丘病院から、病状や今後の治療の方針について説明したいので、家族も来てほしいと母に連絡があったという。できれば一緒に聞いてくれという。
まあ、普段、何もしていない弱みもあって、こんな時くらいはしょうがない。仕事を中断。練馬光が丘病院に行く。今日は自分で車を運転していくことにする。
父は個室で、立って歩いている。おいぃ! 「もうなんともない、元気な...
続きを読む≫ 2012/11/10 19:09:34 メイン
翌朝、母から電話があった。
「今日、先生が説明したいから来てくれって。で、自分だけ今、練馬光が丘病院にいるんだけど、先生が、あなたはいないのかって。呼ばなかったというと、じゃあ、電話しますよって」
しばらくすると、医師から電話。
「昨晩、倒れました。またMRの検査中に、苦しがって、検査を中断しました。中断はしてしまいましたが、それでも画像がある程度とれて、脳の表面に膿と考えられるものが発見されました。救急搬送の際の脳の検査は、転落などの外傷による出血の有無などを確認しましたが、それは認められませ...
続きを読む≫ 2012/11/10 19:10:49 メイン
数日後、ICUが嫌だと父が言い出す。まあ嫌だと言えるだけ元気にはなったのだが・・・。
発作も起きていない・・・というか、起きないように薬でコントロールできているので、いいでしょうと、一般病室に移る許可が出る。それでも、いきなり個室には、移さず、2日間は、リカバリールームで経過観察。その後個室に。
でも何も良くなってはいない。発作を抑えるのに成功しているだけで、発作がでなければ、本人は自分は元気だと思えてしまうのだが・・・。根本的に、脳の膿が、化膿がなくなってくれないとどうしょうもない。ただ抗生物...
続きを読む≫ 2012/11/10 19:12:50 メイン
家内は、友人達なり近所なりに父のことを話したようだ。まあ女性というのは、そういうもんなんだよな。俺は、とても自分から話すような気にはならないけども。
口コミとかその評判とか、救急搬送だったわけで、俺は今回の練馬光が丘病院については、うんもすんもない。けれどまあいろいろ言う人もいる。日大が撤退して、経営や運営が変わって。それは事実なんだが、それが、イイの悪いのの話でもなかろうて。事実上新設に近い状態かもしれない。評価しようがないだろうと俺は思う。
セカンドオピニオンを勧めてくれる人もいる。練馬光が...
続きを読む≫ 2012/11/11 15:45:54 メイン